暮らしのギモン 2019年8月

嫁いだ先で私が長年介護した義父が亡くなり、遺産相続で夫は自宅を、義妹が全預金を相続するようです。民法上の子供達で分与すると分かってはいても、自分に何も無いのが悔しいです。

A.戦後の民法改正で家制度は廃止されたにもかかわらず、明治時代からの名残で、女性は妻となれば夫の家に入り子育てから親の介護まで担うのが当然とされてきました。その風潮は現代においても根強く残っていると感じます。

 介護に専念するために仕事を辞めた、介護疲れから精神を患った、など介護に携わった女性の負担に対価を求める声を受け、相続分野の民法改正により改善が図られました。相続人以外の親族が療養看護を担ってきた場合、一定の要件を満たせば、相続人に対し寄与分として金銭を要求することが可能となったのです。

 長年介護に費やした時間や負担は、単純に金銭に換算して請求できるものではないかもしれません。更に、他の相続人は介護の労力など考慮しないことも考えられます。しかし、家族として介護に尽くしてきた功労者の正当な権利として、本人が行使することはもちろん、相続人として最低限の配慮をする必要があることを伝えてみてはどうでしょう。

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