Q
この春、高校を卒業する孫に大学の学費か自動車購入いずれかの資金援助を考えています。どちらがいいでしょう?

A.人から人へ無償で財産を譲り渡すことを『贈与』と言います。家族間で日常生活のために渡すお金やお小遣いなどは贈与に該当しませんが、多額の金銭を一度に渡す場合は注意が必要です。
主に祖父母から孫へ、教育資金を1500万円まで非課税で贈与できる制度が令和3年3月までの期間限定で実施されています。学費・学用品費・給食費・修学旅行費などの他、学習塾や認可を受けた自動車学校の費用なども認められます。ただし、贈与資金は金融機関の専用口座に預け、払い戻しには支払いの根拠となる領収書を提出し金融機関の確認を受けなければなりません。領収書の管理など手続きの煩雑さを考慮して利用を検討する必要があるでしょう。
一方、大学の入学金など多額な出費を直接支払う形であれば、贈与税の課税対象とはなりません。つまり、必要な時に必要な金額だけ生活費や教育費として支払ってあげる分には贈与税はかかりません。自動車の購入も必要なことと思いますが、国の税制度で考えると学費の資金援助の方が良いかもしれません。