Q
8年暮らしたアパートから引っ越すのですが、飼い猫が壁や敷居で爪をといでボロボロになっています。修繕費用を全額負担しなければなりませんか?
A.賃貸住宅から退去する際には原状回復が求められます。普通に生活していて生じる住宅の汚れや傷み・経年劣化等は借主の負担にはなりませんが、借主の故意や過失、通常でない使用方法による損耗等は元通りにしなければなりません。
ペットを飼育していた場合、ペットがいることで生じた汚れや破損については、借主が負担すべきものとされています。敷居や襖など通常の使用では傷みにくい部位であれば、借主の費用負担による修繕となります。ただし、汚れや破損、動物特有のにおいなどが原因で壁を張り替える場合であっても、賃貸借が長期間に及んでいれば、通常使用による経年劣化が考慮され一部負担で足りるとされます。
どんなに気を配っても、ペットが家を汚したり傷つけたりするのを防ぎ切れない場合があります。借家でペットを飼うなら、退去時の出費が多少増えることは覚悟する必要があります。床にラグなどを敷き保護する、粗相をしたらすぐに掃除する、など家をなるべく傷めないよう努力するのが飼い主の務めかと思います。