暮らしのギモン 2018年8月

息子に財産を残してやりたくて遺言書を書きましたが、病気などで出費がかさみ日々の生活が不安になってきました。遺言書で「息子に譲る」と書いた土地は、もう売ることはできないのでしょうか?

A.正式な遺言書は、ご自身が亡くなった後に、残された家族へ思いを伝える手紙であると同時に、法的な拘束力を持つ重要な書面です。遺言書には、所有している財産を誰に譲るかを記載しますが、その後、不動産を売却したり預貯金を使ってしまったりしても、何ら問題ありません。遺言者が亡くなった時点で存在している財産にのみ遺言の効果が及びます。

 また、遺言書はいつでも何度でも書き直すことができます。同じ人が作成した異なる内容の遺言書が見つかった場合は、最新の日付のものが有効とされます。

 民法の相続分野の一部が改正され、自筆証書遺言の要件が緩和されました。これまでは全文を手書きする必要がありましたが、来年からは、財産目録に限りパソコンなどでの作成が認められます。また、悩ましかった遺言書の保管場所として、法務局での保管が加わる予定です。この機会に、以前の遺言書を見直し、現在の状況とご自身の思いを、新たな遺言として記すと良いのではないでしょうか。

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